院長ブログ

2014年10月 8日 水曜日

知っておきたいイヌネコ情報 No.2

 昨日、会陰ヘルニアの手術を行いました。会陰ヘルニアとは、お尻の脇の筋肉が薄くなり、その結果様々な症状を引き起こす厄介な病気です。昨日のは特に厄介な状態になっており、9か月前によその病院で手術をした症例の再手術でした。たまたま急患で来られたワンちゃんでしたが、初見でこれはマズイとわかるほどの状況でした。どう考えても一般の町医者の手におえるものではないと判断し、獣医界のブラックジャック、日本最強の手術屋さんに来ていただきました。手術を始めたところ予想通り、いや、予想以上のひどい状態。百戦錬磨の手術屋さんも驚きの状態・・。でもさすがでした。出来る限りの最善の手術をしていただけました。このまま後1.2か月放置していたら亡くなっていたことでしょう。ワンちゃんもかなりのハードな手術に術後はちょっと元気がなくて心配しましたが、今日はとても元気になりました。今のところは合併症もでず一安心。

 そんなわけで、前置きが長くなってしまいましたが、今回は会陰ヘルニアについてご説明いたします。
 先程も書いたように、会陰ヘルニアとは肛門の脇の辺りの筋肉が薄くなり発症する病気です。筋肉が薄くなることで穴が出来てしまい、そこからお腹の中の脂肪や、内臓(腸、膀胱、前立腺など)が出てきます。特に尿路が出てくると大変です。緊急的な手術が必要なこともしばしばです。また飼い主様の主訴として最も多いのは排便障害です。便が出にくくなったり、便秘のようにでなくなることもあります。これは直腸をささえる筋肉が無くなるため、便に押されて伸びてしまい袋状のスペースが出来てしまい、そこに便がどんどん詰まって、さらに押されて悪化をしていきます。内科管理には限界がありますし、お薬で治ることは絶対にありません。動物の苦痛を早く取り除いてあげるには、出来る限り早期の手術をしなければなりません。
 そしてこの病気のポイントとして、未去勢の雄犬に大変多いことがわかっています。勿論去勢した雄犬、雌犬、猫にも発症することはありますが、少なくとも当院に来院した10頭ほどの会陰ヘルニアは全て未去勢オスです。つまりこの厄介な病気は去勢をすることである程度の予防にはなりえるということです。特にダックス、コーギーなどの足の短い子たちは気を付けておくべきですし、去勢はやはり行っておいた方が良いと思います。
 ただし、去勢をしていれば起こらないわけではなく、他の悪化因子、発症因子としてこのようなものが考えられます。
 ①筋肉が薄くなる疾患:甲状腺機能低下症、クッシング症候群のようなホルモン疾患は筋肉の委縮を促しますまた、老化もその一要因になるかもしれません(こればっかりは何ともなりませんが、、。対処は適度な運動を行うことぐらいですかね)
 ②腹圧をあげるような疾患:お腹が痛くなると腹筋に力が入りやすくなり腹圧が上がってしまいます。これに伴い内臓が飛び出しやすくなってしまいす。たとえば前立腺疾患、結石、便秘、腫瘍、咳などが一般的に考えられます。また、肥満も重要な危険因子となります。最後によく吠えるワンちゃんもよくありませんね。
 会陰ヘルニアが来院した際には、これらの基礎疾患がないか検査を行い、必要な治療を行い、その後手術を行います。ただでさえ、再発率が大変高いことが知れらている疾患です。これらの基礎疾患を治療せずに手術を行うと、再発する可能性がますます高くなりますので、とても大切です。
 最後に、この疾患は残念ながら大変再発率の高い病気です。正しい診断は絶対必須なのはもちろんですが、なるべくこの疾患いならないよう予防することが一番です。早期の去勢手術、肥満予防とともに、定期的な健康診断を行い予防に努めましょう。

投稿者 たかはし動物病院 | コメント(0)

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