院長ブログ

2014年5月20日 火曜日

貧血の原因の探し方


 昨日の夜は、毎月恒例の臨床病理セミナーでした。お題は貧血の原因の探し方。
血液中の赤血球が減少した状態を貧血といいます。貧血になると体に十分な酸素を送れなくなり、ふらつきなどの症状を呈します。悪化すれ死に至ります。
 日々診療に当たっていると、貧血の動物を診ることも決して少なくはありません。身体検査や問診で貧血を疑ったら、血液検査で貧血が見つかったら、その原因を徹底的に調べて適切な治療を行うことが必要となります。なぜならば、貧血の原因は多種多様であり、間違った診断、治療を行うことで、治療が困難となってしまうからです。
 貧血の原因には ・・・大まかな考え方ですが・・・。
 ①失血:出血などで血液が大量に失われる状態)
 ②溶血:赤血球が何らかの理由で壊れてしまう状態。玉ねぎ中毒なんかはこれに当たりますね。
 ③産生不良:赤血球を作る骨髄の異常や、腎臓からのEPO分泌不全、時に慢性炎症や鉄欠乏も原因になります。
 ④分布異常:脾臓に過剰に血液がプールされたりする状態です。

 
検査でこんなことを診ます
 ・再生性 or 非再生性 : 貧血が起こると体が反応して新しく血液をたくさん作ろうとします。その兆候が見られるかどうかをチェックします。
 ・赤血球の大きさ、ヘモグロビンの量・割合 
 ・血液トマツ :血液を薄く引き伸ばして染色して顕微鏡でしっかり観察して、赤血球の形態、再生像、白血球の分類、形態異常、血小板の異常など細かくみます。疾患の原因により様々な異常を示します。ここをしっかり見られればかなりの情報が得られます。
 必要に応じて他にも血清鉄、TIBC、クームス試験、骨髄検査などなど追加検査を行うことがあります。
 もちろん他にも血液生化学検査(肝酵素や腎機能、蛋白、コレステロール、血糖、リンやカルシウムなどを調べる検査です)やレントゲン検査、超音波検査などを駆使して原因究明に当たります。

 ただ、貧血の原因をより正確に見落とすことなく検査をするには、一般的な獣医学書に書いてあることだけでは悩まされることがしばしばあります。色々なバリエーションがあり、様々なコツがあります。今回のセミナーではそのあたりのことを教えていただきました。講師の先生が人の眼はみようとしていないと、その異常には気が付かない。トマツを何を目的に、何に気を付けてみるかでその意義や結果は大きく変わってくるとおっしゃっていました。これは検査に限らず、身体検査や他の検査でもいえることであり、色々な可能性を考えながら丁寧な身体検査や、検査所見の考察を行わないと病気を見落としてしまいかねません。大事なことを再認識できたセミナーでした。

投稿者 たかはし動物病院 | コメント(0)

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